「馬鹿かテメーは!」
萩原の怒鳴り声は中々の迫力がある。高槻の拳骨を貰った後で、和輝は頭頂部を摩りながら目を背けた。
試合は開始された。打者は三番、夏川啓。三鷹戦と違いピッチャーの夏川が三番に座り、本来いた藤は五番に移っている。ピッチャーとして体力は消耗するが、それでも初めから嘗めて掛かって来ていた三下相手には十分余裕だろう。
和輝は不貞腐れたように唇を尖らせる。
「テメーのせいで反則負けしたらどうするつもりだ!」
「だって!」
責任の重さを知りながら、それでも食い下がる和輝は珍しいなと高槻は思った。天真爛漫ながら根柢の部分は何時だって冷静な和輝が、知り合いでもない敵の為に此処まで熱くなるのは初めてだった。……尤も、何度もあっても困るが。
和輝が言った。
「俺は野球がしたいんですよ! あれの何処が、野球だって言うんですか!」
萩原は舌打ちした。そんなことは言われなくたって解っている。
黙った萩原に代わって、高槻が前に進み出る。
「うるせぇんだよ。どんな理由があっても、お前のは暴言だ。ルール違反だ。スポーツマン失格だ」
「キャプテン……」
がっくりと肩を落とす和輝には悪いが、高槻は正論を突き付けるだけだ。和輝の気持ちは解るし、あの時の言葉はこれまで高槻自身思っていたことだ。
それでも、スポーツにはルールがある。
「お前も選手なら、己の主義主張は全てプレーで示すべきだ」
グラウンドで、金属音が響く、夏川が出塁したのだ。四番の萩原が慌ただしくベンチを飛び出していく。
ぐうの音も出ないとばかりに和輝は口籠る。高槻は鼻を鳴らした。
「胸糞悪いのは、俺も同じだ。自分だけだと思って、一人で先走ってんじゃねぇ」
高槻が言ったと同時に、仲間が目を向けた。千葉が、藤が、雨宮が、桜橋が、箕輪が頷いた。当然だろう。
「――まあ、スカッとしたのは事実だけどな」
千葉が白い歯を見せて笑う。藤が小突いた。
「止せよ。せっかくキャプテンが止めてくれてんのに、調子に乗らせんな」
ベンチに笑い声が溢れる。それは星川とは、全く異なるものだ。
もしも、晴海高校野球部が星川のようだったら、自分はそれでも野球をすると言えただろうか。誰一人味方がいなくても、馬鹿にされて否定されながら、それでも前を向いて行けただろうか。
答えは、否だ。自分にはそんなこと出来ない。これまで何度、仲間に助けられて来たのか解らない程だ。
夏川が本塁を踏んだ。十一点目。藤がバッターボックスに立つ。
ベンチに帰って来た夏川が、和輝を一瞥して笑った。和輝は片眉を上げる。
「――んだよ」
「いや。お前といると、退屈しねーよ」
「嫌味かよ」
「褒め言葉だよ」
夏川は、笑った。
三回裏、晴海高校は十五点を記録する。四回表、星川高校の攻撃。五回までに六点取らなければコールドゲームが成立する。当然、晴海はそれを狙っている訳だが、相手が簡単にそれを許すとも思えなかった。――少なくとも、二名は。
バッターは二番から始まる。つまり、最低でも四番の葛西までは回る。尤も、幾ら葛西が優れた選手だったとして、一人で何が出来るのだろうとは思うけれど。
トップバッター三振。先程のやり取りも、星川ナインには響いていないようだった。否、響いたからこそかも知れない。見送り三振は、消えた。
「バッターアウッ!」
ツーアウト、ランナー無し。
だが、バッターボックスに葛西慎二郎。夏川は掌のロージンバッグを足元に落とす。白い粉がふわりとグラウンドに舞った。
「お願いします」
帽子のツバの下、葛西の目が光った。火の点いた目。夏川は無表情だった。
初球、ストレート。唸るような剛速球だ。鈍い音を立ててミットに飛び込んだ。葛西は視線だけ向けて微動だにしない。
「トラーイッ」
カウントは1−0になる。このまま葛西が何もしない筈が無い。萩原からの返球を受けて夏川が再び構える。
ワインドアップ。周りの応援も、風の音も全てが消え失せる。目の前にあるのはキャッチャーミットただ一つ。投球。
叩き付ける弾道、葛西がバットを振り切った。鋭く風を切った音が、マウンドまで届いた。打球は一塁線を僅かに切れてフェンスに直撃する。ファールだ。
三球目、内角低めのボール。若干コントロールが乱れたが、体格の大きい葛西にとってインコースは不得手だろう。見送る。ボール。
カウントは整った。萩原のサインに、夏川が頷く。
一直線に突き刺さる白球が、白い残像を歪ませる。変化球だ。ストレートから目の前で突然落下する。解っていても打てないと、プロでも恐れられる変化球だ。だが、葛西の目が光った。
断末魔にも似た高音が蒼穹に響き渡った。萩原がマスクを上げて叫ぶ。
「センター!」
藤が疾走する。だが、打球はフェンスに直撃し、グラウンドに突き刺さった。
センターからの送球。葛西は一塁を蹴っている。桜橋の元に白球が向かうと同時に、噎せ返るような砂埃が舞った。葛西は二塁を駆け抜けている。
桜橋から流れるような送球が、和輝のグラブに向かう。足を伸ばしてベースを押えながら和輝はその送球を確実に受けた。だが、その足元に葛西が滑り込んでいる――。
「……セーフッ!」
それまで静まり返っていた応援が、ベンチが沸き上がる。
ツーアウト、ランナー三塁。葛西が決死の覚悟で作り出したチャンスだ。
汚れた膝を払うこともなく、葛西は体を起こす。和輝が手を差し出した。
「ナイラン」
嫌味無い笑顔で、和輝が言った。葛西の記憶に浮かぶのは、先程、お節介にも啖呵を切ったあの姿だ。何の陰りも見せない明るい笑顔からは想像も出来ない程、胸の内に熱いものを秘めている。葛西はその手を取った。
「ありがとな」
「どういたしまして」
何についての感謝なのかなど、この少年には興味無いことだろう。葛西は自嘲するように鼻を鳴らした。
――勝ちてぇから、勝ちたいんだろ。他に理由がいるのかよ
あの言葉にどれ程救われたのかなんて、この少年は知らなくていい。葛西はバッターボックスを見た。打者は五番、諸星太一だった。
真っ直ぐに夏川を見る目は鋭い。火の点いた目だった。
強い人だな、と和輝は思う。逆の立場だったとしても、自分はこの人のようにはなれなかっただろう。
初球はボールだ。警戒するのは当然のことだった。だが、諸星は一瞥したまま動かない。
「ボーッ」
こんな球に釣られる諸星ではないだろう。転がすかも知れないと、和輝は腰を落とす。三塁ランナーがいる為、塁を離れることが出来ない。
恐らく、盗塁は無い。リスクが高過ぎる。
夏川が目を細めた。怜悧な光を宿す目が諸星を睨むように見据える。二球目が放たれると同時に、和輝は左足に体重を乗せた。動く。
ストライクゾーンを僅かに掠めるような直球だった。バットが振り切られる。だが。
「トーライッ」
ストライクだ。諸星は変わらない仏頂面で足元を均す。カウントは1−1だ。
萩原からの返球を受け、夏川は牽制するように三塁の葛西を見た。互いに表情は無く、腹の底は見えない。
三球目は変化球だった。ストライクからボールに逃げていく。諸星の肩がぴくりと動いた。
「ボーッ」
大きく、諸星は息を逃がす。バットは長く構えられたままだ。
カウント1−2、ストライクが欲しいところだが、萩原ならギリギリまで使うだろう。和輝はどんな打球が来てもすぐに対応出来るよう心の準備をしながら夏川を見遣る。遠目にも解るくらい、強張った顔だった。
呑まれるなよ。その思いを込めて和輝が声を張り上げる。
「バッチ来い!」
声が届いたとは、思わなかった。一瞥すらしない夏川がグラブの中でボールを握る。萩原のサインが出された。やはり、ボールだ。カウントは目一杯使うつもりだろう。
見縊られているのだろうか。夏川は皮肉っぽく思う。首を振ることはしなかったが、頷きもしない夏川を見て萩原が口元を歪ませる。筋金入りの負けず嫌いだなと呆れつつ、先日の和輝との三球勝負でも直球に拘ったことを思い出した。
仕方が無い奴だな。萩原はサインを変えた。夏川が頷き、構えた。
放たれたのは変化球だ。枠ギリギリのナイスコースに、夏川自身ガッツポーズでもしてやりたいくらいだった。だが、諸星は一瞬でバットを短く持ち替え、打席を飛び出す。
カツン。
硬質な音がした。白球は三塁線。
(上手い!)
状況も忘れて拍手を送りたくなるような綺麗なバントだ。
夏川が飛び付いた。諸星が前のめりに倒れ込む。夏川からのパスが萩原に届く――刹那。黒い影が走り抜ける。
ホームベース上に、崩れ落ちるように影が倒れ込む。萩原のミットには白球が収まっているけれど、審判は静かに両手を開き、宣告した。
「セーフッ!」
葬式のようだったベンチが、初めて沸き立った。四回表、星川高校の初得点だった。
アウトとなった諸星がまるでオセロのように全面を土に汚しながら立ち上がる。中々起き上らない葛西に、諸星が左手を差し出す。ピッチャーの命とも言える利き腕、左腕だった。
賑わう応援の中、夏川が茫然と立ち尽くす。初失点――。
ベンチに向かい入れられる二人は揃って泥だらけだった。マスクを上げた萩原が夏川に駆け寄ろうとするが、苦々しい顔で背を向けるその姿に躊躇った。此処で駆け寄れば、夏川のプライドが傷付く。次のバッターが現れ、萩原は渋々とマスクを下ろした。その時。
「次止めようぜ!」
萩原の思惑など関係無いと言わんばかりの大声で、和輝が叫んだ。応援も励ましも好まないだろう夏川が苛立つことを考え、萩原が眉を寄せて舌打ちする。けれど、夏川は驚いたような顔を浮かべるだけだった。
「バッチ来いよー!」
箕輪が叫んだ。率先して声を上げた一年坊主に何が見えているのか、萩原には解らなかった。夏川は和輝と箕輪をそれぞれ見比べた後、黙ってマウンドに戻って行った。
夏川には、解らなかったのだ。文句の一つだって言って当然だろう和輝や箕輪が当たり前のように応援することが、信じ難かった。
三鷹学園との試合で、観客からの勝手な野次を一身に受け続けた和輝に、自分は何も出来なかった。――否、何もしなかったのだ。和輝は天才だから、何でも出来るから、放っておいても大丈夫。作り笑いを浮かべる彼が平気な筈など、無かったのに。
見返りを求めず、当たり前のように味方でいてくれる。自分が傷付くことを恐れずに手を差し伸べてくれる。それは、彼等の強さだ。
中学時代、チームで孤立していた夏川は思ったのだ。奴等は凡人だから、自分が羨ましいのだ。下らない嫉妬だ。俺は独りでも大丈夫。群れるのは弱い証拠だ。俺は強いんだ。
――だけど、そんなのは嘘だ。
独りは嫌だ。寂しいし、苦しい。でも、それを伝える相手などいなかった。否、打ち明ける勇気が無かったのだ。平気な振りをして強がって、誰かのせいにして逃げ回って。自分の根柢はただの臆病者だ。スポーツマンと名乗ることすら烏滸がましい星川ナインを同じ。
――如何してあいつ等が強くなれるのか、お前に解るか?
そんなの、解らない。でも、強くなりたい。
夏川は構えた。ワインドアップと共に、周囲の雑音が消えて行く。それでも確かに届くのは、背中を支えてくれる仲間の声援だった。
虹の立つ場所・3
あの声がまるで 夜明けを告げる鐘の音のように聞こえたんだ
勝利を望むときに、敗者の犠牲を考えたことがあるだろうか?
俺には夢がある。叶える為ならどんな努力も犠牲も厭わない。そう思えるだけの大切な夢があるのは素晴らしいことだけど、その裏で誰かの夢を踏み付け壊している。壊れた夢は硝子細工のように砕けて足元に散らばり、進もうと踏み出す足に突き刺さる。だけど、それでも、構わなかった。
自分が勝ちたかったからだ。負けたくなかった。一体、それを誰が責められるというのか。何か状況が一つでも変われば勝敗は逆転したかも知れない。夢に泣いたのは自分かも知れない。
和輝が中学時代を過ごした橘シニアチームは県内においては特に常勝チームであった。練習試合は兎も角として、公式試合やレギュラーを決める実力テストなどにおいて、和輝は何時でも、どんな結果になったとしても、勝者は敗者の夢を背負うと誓っていた。夢とは大切な思想だ。例えどんな相手であっても、安易にそれを奪うことは許されない筈だから、自分が勝ちたいからという身勝手な理由で砕いた誰かの夢を、置き去りにすることは出来ない。試合において、それはキャプテンである自分の責務と思っていた。
終盤に向かう試合、四回裏の晴海高校の攻撃は既に三得点を記録していた。葛西と諸星が決死の覚悟で奪い取った一点は疾うに取り返している。コールドゲームは殆ど確実だった。
ベンチの奥で水分補給する夏川は頭にタオルを掛け、吹き出す汗を拭っている。傍を高槻が通り過ぎるが、ベンチから身を乗り出して声を張り上げる和輝は気付かなかった。
「よう、夏川。ヘマしやがったな」
そう言うが、高槻の口元には悪戯っぽい笑みが浮かび、責める気などなく、むしろからかおうという魂胆が見える。夏川は何も言わず、隣に座った高槻に目を向けることもしない。
「どうしてあいつ等が強くなれるのか、解ったか?」
夏川は答えなかった。高槻は鼻を鳴らす。
「努力とか、才能とか、そんな話じゃねぇんだよ。あいつ等はな、自分の弱さを知ってる」
グラウンドを見据える高槻の目は鋭かった。言葉の意味を追おうとする夏川を一瞥し、高槻は続けた。
「本当の強さってのは、自分と弱さと向かい合うことだ。自分の弱さと向かい合って、乗り越える力だ。そしてそれは、負けた時にこそ見えて来る」
「……和輝は負けたことなんてないでしょう」
呟きは思っていた以上に卑屈っぽく、夏川は惨めな気分になった。だが、高槻はそうかな、と言って笑った。
「あいつだって完璧な人間じゃないさ。弱い人間だと知っているからこそ、強くなろうとする。覚えているだろう。北里や三鷹との試合であいつが崩れていく様を」
言われてみて、夏川は思い至る。過去のトラウマを抉られた北里戦、環境全てが敵になった三鷹戦。その中でエラーをしたときもあれば、まともにバットを振ることすら出来なかったこともあった。
あの時、弱い人間だと思った。けれど、それでも和輝は立ち上がった。
あの試合が無ければ、和輝は過去を乗り越えることも、仲間を心から信頼することも出来なかったかも知れない。
高槻の目は何処か遠くを見ていた。一見すると完全無敵に見えるチームを背負う少年にも、覚えがあるのかも知れない。
「あの試合を通して、自分の弱さを知り、乗り越える力を得た。だから、どんな理不尽に対しても恨み言一つ零さずに感謝だけを残した。解るか? 和輝が強いと思うなら、それはどんなに暗く冷たい泥濘の中でも、希望の光を見付けられるからだ。それが出来ない限り、お前は和輝には勝てねえよ」
そう言って、高槻が笑う。五点目が入った。高槻がベンチを出ていく。
世間が天才と呼ぶ傍らで、彼はどれ程の努力を重ねたのだろう。弱音一つ零さずにヒーローを演じ切った彼は、どれ程の痛みを抱えていたのだろう。
グラウンドを見ていた和輝が、突然振り返った。太陽を背負って和輝が笑う。
高槻は和輝を鏡のようだと言った。彼を通して自分自身を見詰めることが出来る反面で、鏡自身は自分を見ることは出来ない。だからこそ、和輝にも高槻のような道標が必要なのだろう。どんな時も迷わずに前を向き、振り返ることはしないけれど置いて行くこともしない。
金属音が響く。タイムリーヒット。ランナーが帰って来る。己の主義主張を通す為に高槻が弾きだしたヒットにベンチが沸き立った。
四回裏に八点を記録した晴海高校に、五回表を夏川は三者三振に抑えた。
試合はコールドゲームとなった。整列する夏川の正面には、かつてのチームメイトである葛西が立っている。
審判の声に互いに挨拶を交わす。青空の下に響き渡った声は、試合開始直後に比べて随分と明瞭な溌剌としたものだった。星川ナインの目があの時と比べて輝いて見えるのは決して気のせいではないだろう。惜しみない拍手を受けながら、応援してくれた全ての人へ互いに頭を下げた。
グラウンド整備に散った両チーム。観客が入れ替わる。地面を均す夏川の目に、葛西の姿が映った。
「――葛西」
話すことなんてない。敗者にどんな言葉を掛けても惨めにさせるだけだ。そう思うけれど、振り返った葛西は夏川を見て口元に笑みを浮かべた。
「お疲れさん。まさか、お前にコールド負けさせられる日が来るなんて思わなかったよ」
「俺がやった訳じゃねぇ」
「チームのお蔭ってか? 変わったな、お前」
葛西が笑う。
「俺もこのままで終わる気はねぇ。次は勝つ。だから、それまで負けんじゃねぇぞ」
「どうだか」
釣られるようにして夏川が笑う。葛西は肩を竦め、グラウンドの隅で萩原に小突かれる和輝に目を遣った。
「良い仲間を持ったな」
「……ああ」
静かに夏川が肯定したところで、遠くから諸星が葛西を呼んだ。
手を上げて合図し、葛西が半身になって夏川を見る。またな。葛西が言った。小走りに諸星の元へ向かえば、遅いと不満げに言われる。葛西は肩を竦めた。
グラウンド整備も終わり、球場は次の試合へと移り変わって行く。試合終了と共に、自分達の夏が終わった。だが、諸星も葛西も悲しいとは欠片も思わなかった。
「――仕切り直し、だな」
「はい――」
この試合を以て引退する先輩に思い入れなど無いけれど、あの泥まみれの一点を共に喜び合えたことが、諸星にとっての救いだった。この野球部で過ごした二年間が報われた、そんな気がした。
観客席から飛ぶ黄色い声援は、天才の弟と呼ばれる蜂谷和輝に向けられるものだ。どんな色物プレイヤーかと思えば、とんだ熱血馬鹿だった。けれど、諸星はそんな人間が、嫌いではない。
――一生懸命やって、何が悪いんだ!
状況も立場も忘れて叫んだあの言葉こそが、諸星自身の叫びだった。
ありがとな。
言葉にせず、口元だけで零した感謝が届くことはない。諸星は大きく背伸びをした。夏の風が頬を撫でて行った。
2011.8.22
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