登場人物紹介 蜂谷 裕 Yuh Hachiya 夢は友との決着。強さと優しさを兼ね揃えた俊足選手。 身長159cm、体重48kgと言う野球選手としては少々頼りない体格を持つ。だが、中学時代は主将としてチームを纏め、見事全国優勝を果たした。 丁度その頃、とある事故で両親を亡くし、神奈川の親戚である市河家に引き取られた。その際、かつての好敵手と呼べるチームメイトと道を別つ。そして、「 甲子園で会おう。 」との約束通りに夢へと向かい走り出す。 合宿で明らかになったのは、小さい体ながらも脅威の持久力と俊足。俊足についてはタイムも測っていないが、部内には敵無し。 体は小さいが、心は広い。まだ子供の様な素直な一面も残す彼だが、強く優しく、感情的になる事は無い。常に笑顔を絶やさないが、時折その表情に「 陰 」を見せる事がある。 それとは打って変わって、目的達成の為なら仲間さえ騙す嘘吐き。が、何処か憎めない人。 責任感が強い一面もあり、誰かを支える柱にもなるが、その「 陰 」の影響か精神的に不安定な時もある。まだ発展途上の選手だ。
市河 俊 Shun Ichikawa 球威・制球力、共に申し分の無い無名の天才。 中学、リトルの頃からその投手としての実力は人並み外れていた。年齢を疑わせるその投球には感嘆の声を上げずにはいられない「 天才 」と呼ぶに相応しい選手である。 だが、その「 天才 」故の孤独に苦しんだのは他ならぬ彼自身。その実力に見合う捕手がいなく、試合に登板する事すら少なかった。現在は「 爾志浩人 」と言う捕手の出現により今後の活躍が期待される。 赤星をも凌駕する脅威の直球は本物。高校1年が投げる球とは思えないレベル。その恵まれた体格から繰り出される重く速い球は「 蜂谷裕 」の様な小柄な打者には天敵となる。球種が増えれば今以上に強力な投手となるだろう。 我道を行く彼はクールドライ。人に干渉される事も嫌い、プライドも高い。我侭と捕らえる人もいるだろうが、時には情熱的な一面も見せる。
市河 脩 Shuh Ichikawa テニス界からの注目を受ける若きトッププレイヤー。 心優しい市河家の長男、俊の双子の兄。人の気持ちの解るよく出来た人間だ。成績も優秀で運動も万能と言う事無いの彼は、テニス部に所属していてプロからも注目を浴びている。 俊の一番の理解者でもあり、辛い時は傍にいてくれる。 テニスの強い阪野二高に入学し、一年にしてレギュラーを勝ち取った実力はかなりのもの。日々精進している。 怒る事も珍しいが、間違いだと判断した事には一歩も引かずに自分の意思を貫き通せる強い意思を持っている。普段は優しいお兄さんなのだ。
爾志 浩人 Hiroto Nishi 強く優しく、縁の下の力持ち。 「 蜂谷裕 」と「 市河俊 」の前に突然現れた男。捕手としての体格に恵まれ、豪快な性格だが俊の球さえも容易に捕球した技巧派でもある。それは捕手だけに留まらず、力強く鋭いバッティングも見せる親分的存在だ。
禄高 尚樹 Naoki Rokudaka 堅実な守備の裏はお調子者？愉快な一塁手。 地区優勝を果たした中学のチームで、一塁のレギュラーを張っていた彼はその名に劣らぬ実力を持っている。ここのところ、「 市河俊 」や「 爾志浩人 」達に埋もれて活躍していないが、脳在る鷹は爪を隠す。 それとは裏腹に、性格は少々お調子者でトラブルメーカー。だが、何処か憎めないそんな人。「 蜂谷裕 」とはどうでもいい事で爆笑していたりする幸せな人だ。 勝負にこだわらないさっぱりした性格に見えて、実は負けず嫌い。負けてその場は笑っていても、裏ではその悔しさを噛み締めて必死に自主練習に取り組んだりする。 元気一杯で考え無しの軽い人の様だが、本当は誰よりも人の事を考えられる優しい人でもある。曲者だ。
新 陽輔 Yohsuke Shimura 譲らない性格故の譲らない堅固な守備。 言いたい事ははっきり言う。肝の据わった彼はその毒舌故に度々不穏な空気をチームに運ぶが、それも仲間の為を思って。相手が誰だろうと、自分の納得がいかない時はまったく譲らない。 始めは、「 蜂谷裕 」と対立する関係だったが、合宿を通してその努力を目の当たりにし気を許し始めている。正直者なのだ。 レフトは外野だが、その強肩による力強い送球が進塁を許さない。中学時代は無名選手であり、「 市河俊 」などのトッププレイヤーに比べればまだまだの選手だが、今後の練習が鍵を握る。 好き嫌いがはっきりしている上、何処か似ている故は「 市河俊 」とは仲が悪い。今後の活躍が期待される。
尾崎 晃平 Kohheh Ozaki 阪野第二高校野球部最強打者。頼れる主将。 阪野第二高校野球部主将を務める三年生。皆を束ねる強く優しい頼れるキャプテン。客観的に物事を見て、私情を挟まず公平な性格。 ポジションはホットゾーンである三塁手。打順は四番。その役割は大きいが、そつ無くこなす万能選手。合宿で行われたスポーツテストのシャトルランでは、169回と言う驚きの記録を叩き出した。 何でも出来る上に、誰にでも優しく出来た人であるので友人は多いが、過去は嫉妬や妬みの的となった。その上先輩にも恵まれず、よい環境ではなかったが、それを後輩まで残さない強さがある。 副主将の古川とは同じクラスで仲が良い。
赤星 啓輔 Kehsuke Akahosi 次世代を担う、熱き豪腕投手。 阪野二高のレギュラーバッテリーは二年。それは決して層が薄いと言う訳ではない。赤星・松本と言うバッテリーが他の選手よりも優れていると言う事実からの理由だ。 先輩、後輩、同輩関係無く仲のいいフレンドリーな赤星。試合は0か100かの勝負をする事が多いギャンブラーだ。直感力が運がいいと言う事も事実だが、赤星の実力あってこそのギャンブル。決して無謀とは言えない。 オーバースローと言う最速の投法を使う赤星は身長も高く、そこから繰り出される直球は驚異的。打者が気付いた頃には、球はもうミットに納まっている。 捕手との連携もさる事ながら、真の武器はここにある。また、持ち球も多く変化球も得意とする。 自分に厳しく、己の失敗を悔いて一人で苦しむ事も少なくない。とは言え、基本的に開放的なので皆の前で堂々と謝ったりする。憎めない人。 また、捕手である松本とは悪友でよく二人でつるんでは悪い事を企んでいる。
浅賀 恭輔 Kyohsuke Asaga 全国一の新星。実力は未知数。 県立朝間高校。毎年の甲子園出場は当たり前の事。3年連続の優勝を果たす名門高校だ。そこに突如として現れたのは一年。厚い層の中でレギュラーピッチャーとして登板する彼は全国一と呼ばれる秘密兵器だ。一年ながらもプロでは即戦力と言われる実力は伊達じゃない。 「 蜂谷裕 」の中学時代のチームメイト。好敵手でもあった彼は「 笹森エイジ 」や「 蜂谷裕 」と対決しつつもお互いを高め合える良い仲間だった。 二人が兵庫県を離れる際、一つの約束をした。それが「 甲子園で会おう。 」と言うもの。三人はその約束を果たすべく甲子園を目指している。だが、それは今では決着と言う形に変わる。 全国優勝を果たしながらも、未だその実力は未知数。謎の多いピッチャーだが、天才と呼ばれる名は伊達じゃない。
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