第二部 Braves.完結につき後書き

1.大型ルーキー

 二年生になった裕達と三年生になった赤星達。甲子園を目指すからには期待の掛かった新人が必要でしたし、裕達がいなくなる時にも安心して後を任せられる人が欲しかったのです。
 那波は基本良い子の優等生。斎はその逆のヤンキー…。そんなキャラ設定でした。

2.憧れのヒーロー

 那波もまた天才と呼ばれる逸材なのですが、それなりに苦労もして来ている…と言う話。彼が昔チビだったと言うのは後からくっつけた設定でしたが、そうした方が主人公とも通じるものがあっていいなぁと思いました。

3.Regulus

 …やっぱり、那波もただの良い子ではいて欲しくなかったのです。頑なに意地張ったり、人を疑ったり、見下したり。天才でも優等生でもない一人の人間である那波を書きました。いつか、那波と斎と“あいつ”の話も書きたいです。いや、書きます。

4.ずっと欲しかったもの <前編> <中編> <後編>

 思いのほか長くなってしまった4話。ここで何を書きたかったかって言うと最後に裕が言った通り、努力は才能を凌駕すると言う事です。それから、那波と斎の友情。赤星と裕の暴れっぷりですね。(笑)

5.Vacuum Player.

 この辺りからが、この章の核にあたる部分に入ってきます。ここで登場する御杖拓海はかなり前から考えていたキャラで、那波と同級生だったり、皆と一緒に入学して入部してと言う感じの天才キャラだったり色々動きましたがここに落ち着きました。一番不幸な位置で。(涙)

6.ヒーローは死なない


 裕は馬鹿だけど、人の気持ちも解らないような人間であって欲しくない。本当にそう思いながら話を書きました。実際、私が御杖の立場になったら腐ってしまって引きこもっていたでしょうね。そう考えると彼はすごく強いんだと思います。どんなに苦しい思いをしても人に優しくすると言う事を絶対に忘れません。

7.Braves

 この話がこの章の中心です。直訳は勇者達、です。誰が勇者だとか言うんじゃなくて、皆が勇者だって事です。選ばれたものが勇者になれるんじゃなくって、読んで字の如く勇気のある人が勇者なんです。御杖には絶対に幸せになって欲しいですね。

8.Sprint!!

 春の甲子園地区予選決勝。裕を除いた阪野二高野球部メンバーにとっては二度目になった如月率いる東光学園との対決。結果は一点差で敗退。そして、甲子園出場ならず。どんなに頑張っても夢は叶わないかもしれない。それでも、その努力は間違い無く力になる。彼等もこの負けをバネに強くなって欲しいです。

9.来たる夏

 それぞれの夏休み。岡沢や新は割りと仲が良くてブラブラ遊んでたりします。ちなみに、禄高の家は父母姉の四人家族で女強しです。(笑)甲子園優勝三連覇と言う朝間高校。つまり、笹森エイジは浅賀恭輔に勝てないのです。


10.暗黙の対立


 ちょっとドロドロした話を…。少し落ち着いたところで事件が。裕は主人公ですし、作った者として幸せであって欲しいし、皆から愛されていて欲しいのですが、そんな人間は有り得ません。合わない人間というのはいるもの。そんな二人の対立です。

11.崩れゆく夢

 私の先輩の話なんですが、部活で引退試合だって言うのに顧問と喧嘩して試合に出してもらえないと言う事件が起こりました。その後色々あって先輩は無事引退したのですが。最後の晴れ舞台の危機。一番辛かったのは赤星達三年生だけだったでしょうか。

12.約束

 岡沢と裕の決着です。始めはどうやって締め括ろうかと思っていました。後で考えると物凄く下らない校長先生です。お陰で助かったのですが。無償で助け、当たり前に待ち続ける浅賀恭輔、笹森エイジ。裕にとってはかけがえの無い友人です。

13.Flame Memory

 本当は第三部で書こうと思っていました。人の死は悲しいと思います。今まで其処にあったものが消えてしまう。本人も苦しくて、残った人も救われない。夢は途切れて、先が見えない。大切な人を失った記憶。護れなかった虚しさ。後悔。そんなものを背負って、生きていくのは余りに苦しい。それでも、背負い続けたのは裕の弱さであり、強さ。そんなお話。そして、禄高の問題発言。「俺、霊感あるんだ。」

14.双璧のバッテリー

 双璧とは二つの対になる壁。その壁の一つは当然東光学園の如月・朝倉バッテリーなのですが、もう一つは伏せておきます。ここで初登場の朝倉陽治は第三部でも重要な役割を果たしていきます。

15.甲子園への切符

 対東光学園。如月昇治はずば抜けた天才とだけ書いてきましたが、彼もまた孤独です。天才と呼ばれる俊も孤独を知っています。ですが、如月は自ら孤独の道に進んで行きました。それが、如月と俊の違いです。そして、甲子園出場を勝ち取った阪野二高に孤独は存在しません。

16.其処に立つと言う事

 御杖の手術は無事成功ですが、彼はこれからリハビリ生活です。甲子園出場と勝ち取ったものを持っていざ甲子園へ。失った多くのものの為にも。

17.新生


 余りに簡単に書いてしまって申し訳無いのですが、二回戦敗退です。甲子園のレベルの高さ。それを身をもって知り、裕達二年生は新しい時代を作っていきます。主将の名前は重いのですが、そんな時は禄高が支えてくれるでしょう。

18.束の間の休息

 青春です。(笑)今まで張り詰めていたのですから、休息も必要ですよね。そして、マネージャーの草壁絵美子の初登場。彼女は禄高のノリに近くて書きやすいです。

19.胎動

 第三部へと続く予告に近いです。終わり方が微妙だったので、もしかしたら一話くらい足すかもしれません。最後に出て来た謎の男は第一部の一番最初に出て来た彼です。名前も無かったのですがね。